PSA検査で発見された限局性前立腺がんは積極的監視でよい：ProtecT試験の15年結果
Fifteen-Year Outcomes after Monitoring, Surgery, or Radiotherapy for Prostate Cancer
背景
ProtecT試験は、1999年から2009年にPSA検査に招待され、限局性前立腺がんの診断を受けたイギリスの男性を、積極的監視・前立腺摘除・放射線治療へと割り付けたランダム化比較試験であり（n=1,643）、10年前立腺がん死亡率において群間差がないこと、進行・遠隔転移率は治療群が優ることを報告している（https://doi.org/10.1056/NEJMoa1606220）。
イギリスUniversity of OxfordのHamdyらは、同試験におけるフォローアップ中央値15年目の結果を報告した。
結論
前立腺がんによる死亡は45名（2.7%）で生じ、積極的監視群3.1%、前立腺摘除群2.2%、放射線治療群2.9%であった。全原因死亡は356名（21.7%）で生じ、群間差はなかった。遠隔転移は積極的監視群の9.4%、前立腺摘除群の4.7%、放射線治療群の5.0%で発生し、長期アンドロゲン遮断療法は各12.7%、7.2%、7.7%で実施された。フォローアップ終了までに、積極的監視群の24.4%が無治療のまま生存していた。
評価
限局性前立腺がんによる死亡は稀で、治療かモニタリングかで特異的死亡率に差はなかった。転移は積極的監視群で増加したが、現代の監視プロトコルは改善されており、favorableな中間リスク患者までは積極的監視が妥当な選択肢となるだろう。
