スタチン不耐患者に対するベンペド酸使用にCLEAR Outcomes
Bempedoic Acid and Cardiovascular Outcomes in Statin-Intolerant Patients
背景
ベンペド酸は安価なLDL-C低下薬だが、心血管アウトカム有益性のエビデンスが弱かった。
アメリカCleveland ClinicのNissenら(CLEAR Outcomes)は、スタチン不耐心血管疾患患者に対する同薬の心血管アウトカム抑制効果を検証するRCTを行った(n=13,970,対照:プラセボ)。一次アウトカムは心血管死・非致死的心筋梗塞・非致死的脳卒中・冠動脈血行再建の複合である。
結論
追跡期間中央値40.6カ月で、ベンペド酸の一次アウトカム効果を認めた(11.7% vs. 13.3%, HR 0.87)。心筋梗塞リスクのHRが0.77であった半面、脳卒中・心血管死・全原因死に対しての効果は有意でなかった。痛風・胆石症の発生率は実薬がプラセボより高く、実薬群で血清クレアチニン・尿酸・肝酵素値の微増もみられた。
評価
コスト面で支持が強かった同薬の汎用を担保する上質のエビデンスである。死亡率効果は追跡期間の延長とともに明らかになる可能性があり、またスタチンも初期試験では、死亡率効果がないのが問題ともされていた。