金銭インセンティブでウェブベース健康食介入
Effect of Financial Incentives and Default Options on Food Choices of Adults With Low Income in Online Retail Settings: A Randomized Clinical Trial
背景
ウェブショッピングに対する金銭的インセンティブは、低所得者の野菜・果物等健康食品購買行動を促進するか。
アメリカNew York UniversityのRummoらは、フードスタンプ現/過去受給者者2744名を対象として、これを検証するRCTを行った。参加者を、無介入群、該当果物野菜への50%値引きするインセンティブ群、デフォルトオプション群（あらかじめ決められた果物野菜が入っているショッピングカートを与えられる）、値引き+デフォルトオプション併用群に割り付け、約2ヵ月間各世帯設定の予算内で家庭用に1週間の食品を購入するよう指示した。一次アウトカムは、ショッピングカートにつき、該当果物野菜に対して支払った値引きの無い金額の割合である。
結論
インセンティブおよびデフォールトオプション（特に併用）の一次アウトカム効果を認めた（無介入と比較して、インセンティブ群で4.7%、デフォルトオプション群で7.8%、併用群で13.0%多く出費があった）。
評価
レストランでの先行研究（https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25919925/）にみられるように、行動経済学的に人間はデフォルトオプションを受け入れる傾向があり、最初から健康食設定が行われている場合には、それに抵抗を示さない。将来的にウェブでの買い物が主流になれば、デフォルト設定やポイント還元などでアナログ形式よりも容易に健康食提供が可能となる。
