虫垂がんの10%にがん感受性遺伝子変異
Inherited Cancer Susceptibility Gene Sequence Variations Among Patients With Appendix Cancer
背景
消化器がんに関連するがん感受性生殖細胞系列変異は数多く知られているが、希少がんである虫垂がんについてはデータが少ない。
アメリカVanderbilt University Medical CenterのHolowatyjらは、2012年から2016年に14種のがん感受性遺伝子検査を受けた虫垂がん患者のコホートにおいて、がん感受性遺伝子変異の頻度・分布を調査した(n=131)。
結論
15名(11.5%)で、16種の有害な生殖細胞系列変異が特定された。原発性虫垂がんに限定すると8/74名(10.8%)であった。また、全体の4.6%でMUTYH変異が認められた。リンチ症候群患者は4名全員がMLH1遺伝子に変異を有しており、うち3名は診断時に50歳以上であった。
評価
虫垂がん患者では、1割程度でがん感受性遺伝子変異が認められた。すべての虫垂がん患者での遺伝子検査を正当化するデータであり、家族へのカスケード検査も考慮すべきかもしれない。


