心筋再生医療へのhESCの応用は有望?
Transplantation of Human Embryonic Stem Cell-Derived Cardiovascular Progenitors for Severe Ischemic Left Ventricular Dysfunction
背景
心不全への幹細胞治療はブレークスルーを必要としているが、ヒト胚性幹細胞(hESC)を使用する研究が登場した。フランスHopital Europeen Georges PompidouのMenascheらは、重度虚血性左心室機能不全患者を対象として、CABGと同時に臨床グレードの心血管前駆細胞(CVPGC)を生成するhESCパッチを貼付する治療の安全性を評価した(n=6[年齢中央値66.5歳]:LVEF中央値26%、追跡調査中央値18ヶ月)。
結論
CVPGC生成率は中央値97.5%であった。1名が治療と関連のない併存疾患で術後早期死亡した。他の患者は回復し、経過観察中に腫瘍は検出されず、不整脈は発生しなかった。3名が免疫反応を呈した。全患者で症状改善がみられ、パッチ貼付部の収縮運動が増加した。1名が22ヶ月後に心不全で死亡した。
評価
ブレークスルーを目指した先端研究が一応の有望性を示した。心筋再生医療の展開は早く、細胞よりexosomeに注目している向きも多い。このグループの研究も、同一プロトコルを第III相まで試みるかどうかは不明である。


