うつはTAVR・SAVR患者の死亡率を上げる？
Association of Depression With Mortality in Older Adults Undergoing Transcatheter or Surgical Aortic Valve Replacement
背景
FRAILTY-AVR研究は、TAVR・SAVR患者でのフレイルの重要性を示したユニークな前向コホート研究であった。同研究のDrudiら（カナダJewish General Hospital）は、同データの事前指定解析により、TAVR・SAVRを行った高齢男性でのうつと全原因死亡の関連を検討した（n=1,035）。主要アウトカムは、TAVR・SAVRの1ヶ月・12ヶ月後の全原因死亡である。
結論
患者のカルテ記録でのうつ有病率は8.6%であったが、Geriatric Depression Scale Short Form検査でのうつ有病率は31.5%であった。諸因子調整後、ベースラインのうつは術後1ヶ月・12ヶ月の高死亡率と関連した（OR各:2.20・1.532）。ベースラインのうつが6ヶ月以上持続した場合、12ヶ月時点での死亡オッズは2.98倍となる。
評価
高齢患者への侵襲的介入での問題点を示した新規所見である。JAMA Editorialは、この報告の重要性を認めつつ、ベースラインでの術前のうつが術後死亡のリスクになる、という解釈には留保を示している。
