大腸がんの術後再発をctDNAで予測：日本の大規模前向研究
Molecular residual disease and efficacy of adjuvant chemotherapy in patients with colorectal cancer
背景
再発リスクが高い切除可能大腸がんでは術後補助化学療法が考慮されるが、高リスク患者をどのように特定するかが課題であった。
日本National Cancer Center Hospital East（国立がん研究センター東病院）のKotaniらによるCIRCULATE-Japan studyのレジストリ研究GALAXYは、92施設の根治的切除可能なII-IV期大腸がん患者を登録し、術前から術後72週間までに採集された血液サンプルから血中循環腫瘍DNA（ctDNA）ステータスをモニターした。本論文は術後ctDNA陽性とアウトカム・治療選択との関連を報告した（n=1,039）。
結論
術後4週時点でのctDNA陽性は、高い再発リスクと関連し（ハザード比 10.0）、II-III期患者における最も大きな再発予測因子であった（ハザード比 10.82）。また、術後のctDNA陽性は、II-III期患者における術後補助化学療法のベネフィットを予測した（調整ハザード比 6.59）。
評価
術後4週時点でのctDNAステータスは、従来の臨床・病理的リスク因子を凌駕する、強固な再発予測因子であった。CIRCULATE-Japanでは、本研究に続いて術後ctDNA陰性患者での治療デエスカレーションを検証するVEGA試験（jRCT1031200006）、さらにctDNA陽性患者でのエスカレーションを検証するALTAIR試験（JapicCTI-205363）も開始されている。
