CTEPHにおける左室充満圧上昇の発生率と予後インパクト
Left Ventricular Filling Pressure in Chronic Thromboembolic Pulmonary Hypertension
背景
慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)における左室充満圧(LVFP)上昇の発生率と予後インパクトは。
オーストリアMedical University of ViennaのLangらは、同連続患者593名を対象に、平均肺動脈楔入圧(mPAWP)および左室拡張末期圧(LVEDP)をLVFP評価指標として、これを検討した。
結論
LVFPは患者の10.6%で15mmHg以上、37.4%で11mmHg以上であった。諸因子調整後、LVFP上昇の有意な予測因子は、心房細動・大動脈弁石灰沈着-狭窄・僧帽弁逆流・左房容積であった。LVFP15mmHg以上(P=0.021)および11mmHg以上(P=0.006)は、いずれも長期生存率の低下と関連した。
評価
CTEPH病態形成におけるLVFPの重要性は周知だが、最大規模の患者データで、その予測因子と生存インパクト閾値を特定した。