卵巣がん高リスク女性での予防的アスピリン戦略に現実味
Modification of the Association Between Frequent Aspirin Use and Ovarian Cancer Risk: A Meta-Analysis Using Individual-Level Data From Two Ovarian Cancer Consortia
背景
アスピリンの常用は卵巣がんリスクの低下と関連するが、既知の卵巣がんリスクとどのような影響関係にあるかは明らかにされていない。
アメリカNational Cancer InstituteのHurwitzらは、Ovarian Cancer Cohort Consortiumの9件のコホート研究(卵巣がん 2,600名)、Ovarian Cancer Association Consortiumの8件の症例対照研究(卵巣がん 5,726名)の患者個別データを利用したメタアナリシスを実施し、週6日以上のアスピリン服用と卵巣がんリスクとの関連を検討した。
結論
アスピリンの常用は、13%の卵巣がんリスク低下と関連しており、研究デザインや組織型による異質性はみられなかった。子宮内膜症の女性ではこの関連を認めなかったが、その他の卵巣がんリスク因子(肥満、乳がん・卵巣がんの家族歴、未産、経口避妊薬使用、卵管結紮)を有するサブグループでは一貫したリスク低下がみられた(相対リスク 0.79-0.93)。2つ以上のリスク因子を有する女性でもリスク低下がみられた(0.81)。
評価
アスピリンは卵巣がんのリスク低下と関連しており、複数のリスク因子を有する女性では効果が大きかった。アスピリンによる大腸がん予防戦略は確立されつつあるが、卵巣がんについても、特に高リスクの女性では理に適った戦略となるかもしれない。


