GDF-15の心血管リスクマーカ価値は:8RCTの個別患者レベルメタアナリシス
Growth differentiation factor 15 and cardiovascular risk: individual patient meta-analysis

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
European Heart Journal
年月
January 2023
44
開始ページ
293

背景

成長分化因子15(GDF-15)は、動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)のバイオマーカとなりうると示唆されている。
アメリカBrigham and Women’s HospitalのSabatineらは、8RCT(n=53,486)の個別患者レベルデータメタアナリシスを行い、そのCV死亡/心不全入院(HHF)および主要有害事象(MACE)の予測パフォーマンスを評価した。

結論

全体として、GDF-15濃度の上昇は、CV死亡/HHF・MACEのリスク増と有意かつ独立に関連した。ただし、心筋梗塞・脳卒中の予測能は、安定ASCVD患者でのみ有意で(HR 各1.24, 1.16)、ACS患者では有意でなかった。

評価

GDF-15 はBNPとの連想でASCVDマーカ価値が追求されているが、安定ASCVD患者でだけ有意にMI・脳卒中を予測する、というここでの結論は、興味深いとともに難解である。EHJ Editorialが述べているように、未だa biomarker searching for an indicationに留まる。 

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)