GDF-15の心血管リスクマーカ価値は:8RCTの個別患者レベルメタアナリシス
Growth differentiation factor 15 and cardiovascular risk: individual patient meta-analysis
背景
成長分化因子15(GDF-15)は、動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)のバイオマーカとなりうると示唆されている。
アメリカBrigham and Women’s HospitalのSabatineらは、8RCT(n=53,486)の個別患者レベルデータメタアナリシスを行い、そのCV死亡/心不全入院(HHF)および主要有害事象(MACE)の予測パフォーマンスを評価した。
結論
全体として、GDF-15濃度の上昇は、CV死亡/HHF・MACEのリスク増と有意かつ独立に関連した。ただし、心筋梗塞・脳卒中の予測能は、安定ASCVD患者でのみ有意で(HR 各1.24, 1.16)、ACS患者では有意でなかった。
評価
GDF-15 はBNPとの連想でASCVDマーカ価値が追求されているが、安定ASCVD患者でだけ有意にMI・脳卒中を予測する、というここでの結論は、興味深いとともに難解である。EHJ Editorialが述べているように、未だa biomarker searching for an indicationに留まる。


