アフリベルセプトのDM網膜病変予防効果は疑問
Four-Year Visual Outcomes in the Protocol W Randomized Trial of Intravitreous Aflibercept for Prevention of Vision-Threatening Complications of Diabetic Retinopathy
背景
アフリベルセプトの加齢黄斑変性治療有益性が認められているが、予防目的には使えるか。
アメリカIndiana UniversityのMaturiらは、中等〜重度非増殖性糖尿病性網膜症(NPDR)患者328名を対象として、これを検証するシャム対照RCTを行った。患者の眼を、アフリベルセプト硝子体内投与群 (n=200)とシャム治療群(n=199)に割り付け、4年にわたり年4度の注射を継続した。一次アウトカムは、失明を伴う増殖性糖尿病性網膜症(PDR)もしくはCI-DMEの発症と、ベースラインから4年後の視力変化である。
結論
アフリベルセプトは失明を伴うCI-DME・PDR発症の4年累積確率でシャム治療に優ったが(aHR 0.40)、視力に関して有意差はなかった。
評価
同試験は2年での有望結果を記載して(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33784735/)、「4年結果が重要」としていた。ここでの長期結果は予想外にアフリベルセプトの予防効果低下を示しており、視力改善がないのに注射を打ち続けるメリットは疑問である。