「HCM関連遺伝子」を整理する
Defining the genetic architecture of hypertrophic cardiomyopathy: re-evaluating the role of non-sarcomeric genes
背景
肥大型心筋症(HCM)の基本的遺伝子基盤はサルコメアの8遺伝子と見られているが、非サルコメア遺伝子も寄与するという報告が多い。英Imperial College LondonのWalshらは、HCM確定診断患者コホート804名のシーケンシングデータを、既公刊の患者遺伝子データおよび6万人超のexome aggregation consortium(ExAC)参照健常人データと比較して、この問題を検討した。
結論
関与可能性のある31遺伝子の多様性解析の結果、大半の非サルコメア遺伝子の多様性はHCMに寄与しておらず、サルコメア遺伝子の多様性のみがHCMの発症に関与することが確認された。
評価
ExACは、英米を中心として構築されているヒトの遺伝子多様性の高信頼度基本カタログで、様々な利用が期待されている。予備的な諸研究で40以上に膨れ上がっていた「HCM関連遺伝子」のほとんどが疾患とは無縁であることが明らかになった。


