HCMは女性の方が重症?
Women with hypertrophic cardiomyopathy have worse survival
背景
「肥大型心筋症(HCM)に性差がある」という示唆があるが、確認されていない。Mayo ClinicのGeskeらは、同センターにおける1975年以後の全症例の分析を行った(n=3,673、女性45.2%、追跡調査中央値10.9年)。
結論
対象集団では、女性がより高齢(59 vs. 52歳)・重症(NYHA III-IV 45.0% vs. 35.3%)であり、閉塞性(77.4% vs. 71.8%)・僧帽弁逆流(56.1% vs. 43.9%)率が高かった。また、E/e’比・肺動脈収縮期血圧が高く、心肺運動能が低かった。中隔アルコールアブレーション頻度は女性で多かったが、筋切除術の頻度に差はなかった。多変量モデルでは、年齢・NYHAクラス・心血管合併症に関する調整後、女性の死亡リスクはHR:1.13であった。
評価
HCMの性差に関しては、Mayoはかつてデータ規模が小さい間は否定していた(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18513529)。遺伝子・内分泌系の差異も考えられているが、著者らは心理・社会的要因にも注意を促している。


