術前補助化学療法を受けた膵がん患者での術後補助化学療法は有益か
Association of Adjuvant Chemotherapy in Patients With Resected Pancreatic Adenocarcinoma After Multiagent Neoadjuvant Chemotherapy
背景
膵管腺がん(PDAC)患者に対する術前補助化学療法(NAC)が提案されているが、NAC+切除を受けた患者での術後補助化学療法(AC)の意義はいかなるものか。
アメリカUniversity of Colorado のSugawaraらは、National Cancer Databaseから2010年から2018年に診断され、多剤併用NAC後に外科的切除を受けたPDAC患者(n=1,132)を特定し、ACを受けた患者と受けなかった患者を傾向スコアによってマッチングし(n=888)、ACが全生存期間に与える影響、およびACの有効性に関連する因子を解析した。
結論
多変量Cox回帰モデルにおいて、ACは生存率の改善と関連した(ハザード比 0.71)。全生存期間中央値は、AC群26.6ヵ月、非AC群21.2ヵ月であった。ACのベネフィットは年齢・T分類・腫瘍分化度によって異なっていた。また、N分類の全カテゴリー、切除断端陽性の患者で、ACと生存率改善との関連がみられた。
評価
この患者集団におけるACの有益性を支持するデータがもたらされた。ただし、後向研究であり、RCTによる確認が望ましい。


