PCSK9阻害薬エボロクマブがCOVID-19 に効く?
PCSK9 Inhibition During the Inflammatory Stage of SARS-CoV-2 Infection
背景
PCSK9阻害薬には抗血管炎症作用が報告されているが、COVID-19における炎症反応へのインパクトは。
ポーランドNicolaus Copernicus UniversityのNavareseら(IMPACT-SIRIO 5)は、重症COVID-19入院患者60名を対象として、エボロクマブの効果を検証するRCTを行った(対照:プラセボ)。一次アウトカムは、30日後の死亡または気管内挿管である。
結論
一次アウトカムにおけるエボロクマブの効果を認めた(リスク差 -30%)。血清IL-6は、エボロクマブ群がプラセボよりも経時的に高度低下した(30日後の低下率 −56% vs. −21%)。ベースラインでIL-6中央値以上の患者は、エボロクマブ群がプラセボ群より死亡率が低かった(リスク差 −37.50%)。
評価
同薬の意外な効果を示唆するパイロット試験である。COVID-19パンデミックでは、様々な意外な薬が小規模試験で「有効」で喧伝された後消え去っており、この仮説も結論は不明である。