極高低気温の心血管死リスクは明らか
Associations Between Extreme Temperatures and Cardiovascular Cause-Specific Mortality: Results From 27 Countries
背景
心血管疾患原因死亡と気温との関連は。
アメリカHarvard T.H. Chan School of Public HealthのAlahmadらは、多国多都市共同ネットワーク統一データ収集プロトコルを用いて、5大陸27ヵ国567都市からの1979〜2019年データに基づき、この問題を検討した。
結論
解析対象心血管系原因死亡者は全32,154,935名で、虚血性心疾患11,745,880名、脳卒中9,351,312名、心不全3,673,723名、不整脈670,859名であった。暑さ（99パーセンタイル）・寒さ（1パーセンタイル）極域は、全心血管系原因・虚血性心疾患・脳卒中・心不全による死亡の高リスクと関連していた。高気温97.5パーセンタイル以上と低気温2.5パーセンタイル以下は、各心血管死亡1,000人あたり2.2人・9.1人の超過死亡と関連した。心不全は、極高低気温による過剰死亡の割合が最も高く、心不全死亡1,000人あたり、各2.6人と12.8人であった。
評価
オーストラリアMonash UniveristyのLancet報告と整合する結果であり、そこでは極域気温に起因する死亡を全世界で年508万人と推計していた（https://www.thelancet.com/journals/lanplh/article/PIIS2542-5196(21)00081-4/fulltext）。極域気温は、心不全死へのインパクトが最も大きく特に低温で大きい、また、不整脈死への極域気温のインパクトは少ない、という新しい観察も提出した。
