特定サイズの早期腎細胞がんでは焼灼より凍結が効果的

Cancer-specific Mortality After Cryoablation vs Heat-based Thermal Ablation in T1a Renal Cell Carcinoma

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背景

小径の腎細胞がんではアブレーションによる局所療法が選択肢となるが、経皮的凍結療法（cryoablation）と焼灼療法（heat-based thermal ablation）のいずれが優るのか。
イタリアIRCCS San Raffaele Scientific InstituteのSorceらは、SEERデータベース（2004〜2018年）の臨床病期T1aの腎細胞がん患者で、経皮的凍結療法または焼灼療法による治療を受けた患者を特定、傾向スコアにより2:1でマッチングを行い、腫瘍径ごとのがん特異的死亡率を比較した。

結論

腫瘍径が3.1〜4 cmの患者1,468名から、凍結療法757名、焼灼療法388名がマッチングされた。焼灼療法は高いがん特異的死亡率と関連した（ハザード比 2.02）。一方で、腫瘍径が3 cm以下の患者4,468名からは、それぞれ2,217名、1,114名がマッチングされ、焼灼療法によるがん特異的死亡率の上昇は認められなかった（1.13）。

評価

一部ガイドラインではアブレーションの適応を3 cm以下と定めているが、この研究では、3.1〜4 cmの腫瘍に対しては、加熱によるアブレーションよりも凍結によるアブレーションが優った一方、それ未満の腫瘍では両治療に差を認めなかった。意思決定の際に考慮すべきデータとなろう。