VA ECMOからの離脱成功を予測する因子は?:系統的レビュー
Parameters associated with successful weaning of veno-arterial extracorporeal membrane oxygenation: a systematic review
背景
VA-ECMO(静動脈-膜型人工肺)は、心原性ショック患者で用いられる場合があるが、回復が不十分な段階でのECMO離脱はショックの再発や二次的な臓器損傷につながるため、離脱のタイミングは非常に重要である。
カナダHopital du Sacre-Coeur de MontrealのCharbonneauらは、心原性ショック成人患者におけるVA-ECMO離脱の成功に関連する因子を決定すべく、既存研究のシステマティックレビューを実施した。体外循環式心肺蘇生(ECPR)のみの研究、心臓移植・人工心臓へのブリッジとして使用した研究は除外された。
結論
47件の研究が基準を満たした。離脱成功を予測する因子は、初期のショック・心筋損傷指標の重症度の低さ、全身灌流の早期回復、左右心室の回復、フローダウン・トライアルあるいはポンプオフ・トライアル中の血行動態・心臓超音波安定性であった。左室回復をモニターするために、1回拍出量を反映する左室流出路血流の速度時間積分値(LVOT VTI)が広く用いられていた。多くの研究はバイアスリスクが中または高で、異質性のためメタアナリシスは実施不可能であった。
評価
離脱成功に関連する複数のバイオマーカー・パラメーターが示された。ECMO離脱の困難な判断を助けるだろう。