急性フレイルチェストでの外科的治療は人工呼吸器患者でのみ有益
Operative vs Nonoperative Treatment of Acute Unstable Chest Wall Injuries: A Randomized Clinical Trial

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
JAMA Surgery
年月
November 2022
157
開始ページ
983

背景

鈍的胸部外傷による多発骨折では、フレイルチェストや胸郭変形など高リスクな病態を呈することがあるが、外科的介入は有効か。
アメリカThe CORE InstituteのDehghanらは、北米15施設において16-85歳のフレイルチェストを伴う肋骨変位骨折または重度の胸郭変形を有する非フレイルチェスト患者をを対象とするランダム化比較試験を実施し、プレート/スクリューによる外科的治療がアウトカムを改善しうるか検証した(n=207)。

結論

受傷後28日間の人工呼吸器不要日数(中央値)は、手術群で22.7日、非手術群では20.6日と有意な差はなかった。死亡率は手術群0%、非手術群6%と非手術群で高かった。合併症および入院期間に差はなかった。サブグループ解析によれば、ランダム化時点で人工呼吸器を受けている患者グループでは、手術群での人工呼吸器不要日数の増加が認められた。

評価

先行する小規模RCT(https://doi.org/10.1097/00005373-200204000-00020, https://doi.org/10.1016/j.jamcollsurg.2012.12.024)が示唆したベネフィットをより大規模な形で確認した。特に人工呼吸を要する患者では外固定術を考慮すべきと思われる。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)