小児の単純性虫垂炎で非手術管理が増加中、ただしリスクも
Nonoperative Management of Uncomplicated Appendicitis
背景
近年のランダム化比較試験は、穿孔や結石のない単純性虫垂炎では抗菌薬を用いた非手術管理が合理的オプションであることを示唆している。
アメリカBoston Children’s HospitalのLipsettらは、Pediatric Health Information Systemデータベースから19歳未満の虫垂炎症に患者を特定し、単純性虫垂炎における非手術管理の状況およびその後のアウトカムを経時的に評価した。
結論
2011年からの9年間で117,705名の小児患者が特定された。73,544名が非穿孔性虫垂炎であり、うち14.1%(10,394名)が非手術管理を受けた。非手術管理は期間中有意に増加した(四半期ごとのオッズ比 1.10)。1年・5年以内の管理失敗(穿孔性虫垂炎による虫垂切除・入院)率は18.6%・23.3%であった。管理失敗の患児では穿孔性である可能性が高かった(45.7% vs. 37.5%)。また、非手術管理を受けた患児では、12ヵ月の追跡期間中の救急受診・入院リスクが高くなった。
評価
非穿孔性虫垂炎での非手術管理は大きく増加しており、その多くは再発なしに経過した。ただ、再発した場合には穿孔リスクが高く、治療選択時の重要な考慮事項となる。