COVID-19重症患者ではIL-6阻害薬・抗血小板薬が6ヵ月生存率改善:REMAP-CAP試験
Long-term (180-Day) Outcomes in Critically Ill Patients With COVID-19 in the REMAP-CAP Randomized Clinical Trial
背景
新型コロナウイルスの発生から3年が経ち、COVID-19の治療のために複数のオプションが確立されている。
Writing Committee for the REMAP-CAP Investigatorsは、適応型プラットフォーム試験REMAP-CAPの事前指定二次解析を行い、14ヵ国197施設の重症COVID-19患者4,869名における治療ドメイン(免疫調整剤・回復者血漿・抗血小板療法・抗凝固薬・抗ウイルス薬・コルチコステロイド)と180日生存率への影響を評価した。
結論
84.3%で生存ステータスが確認可能であり、180日時点で63.1%が生存していた。対照治療と比較して6ヵ月生存率を改善する確率は、IL-6阻害薬で99.9%(ハザード比 0.74)、抗血小板薬で95%(ハザード比 0.85)であった。一方で、抗凝固療法(99.9%, ハザード比 1.13)、回復者血漿(99.2%, 0.99)、ロピナビル・リトナビル(96.6%, 1.06)はいずれも無益である確率が高く、ヒドロキシクロロキンは有害である可能性が高かった。コルチコステロイドは、統計的トリガーに達する前に割り当てが中止された。
評価
短期では否定的な結果となった抗血小板薬で有益性が示唆されたほかは、おおむね短期結果と一致した。REMAP-CAPが採用したアダプティブ・プラットフォーム試験は、事前に目標症例数などを定めず、患者は場合により複数の治療ドメインにわたってランダム化を受け、結果に応じてプロトコルを修正していく試験デザインで、コロナ下での効率的なエビデンス蓄積に力を発揮した。