DM患者のCOVID-19感染前SGLT2阻害薬使用は有害イベント発生を減らす?
Association of Glucose-Lowering Drugs With Outcomes in Patients With Diabetes Before Hospitalization for COVID-19: A Systematic Review and Network Meta-analysis
背景
COVID-19感染で入院した糖尿病(DM)患者において、使用血糖降下薬種とCOVID-19関連有害アウトカム発生は関連するか。
中国 Fujian Provincial HospitalのCheuらは、31RCTのメタ解析により、この問題を検討した(n=3,689,010)。一次アウトカムは、集中治療室入室・人工換気・院内死亡の複合である。
結論
SGLT2阻害薬は他血糖降下薬と比べ、低い有害アウトカム発生と関連した(logOR:インスリン 0.91・DPP-4阻害薬 0.61・分泌促進物質 0.37・グルコシダーゼ阻害薬 0.50)。SUCRA(累積順位曲線下面積)においても COVID-19感染前のSGLT2阻害薬服薬の有害事象発生確率は最低であり(6%)、ついでGLP-1受容体作動薬(25%)、メトホルミン (28%)だった。
評価
DM患者のCOVID-19感染・重症化リスクはよく知られており、SGLT2阻害薬使用が有害アウトカムを減らす、という報告は高インパクトである。DMコントロール状態との交絡等、多様な追試が必要な重要仮説を生成した。