微量栄養素サプリによるCVDリスクの低減:系統レビュー・メタ解析
Micronutrient Supplementation to Reduce Cardiovascular Risk
背景
微量栄養素の心血管疾患(CVD)リスク低減効果に関し膨大な研究の蓄積がある。
中国China Agricultural UniversityのAnらは、27種の微量栄養素に関する884件のRCT(n=883,627)の系統レビュー・メタ解析を行った。
結論
n-3系脂肪酸・n-6系脂肪酸・l-アルギニン・l-シトルリン・葉酸・ビタミンD・マグネシウム・亜鉛・α-リポ酸・コエンザイムQ10・メラトニン・カテキン・クルクミン・フラバノールが、CVDリスクを低減するという中〜高品質のエビデンスがあった。特に、n-3系脂肪酸の補給は、CVD死亡(RR 0.93)・心筋梗塞(RR 0.85)・冠イベント(RR 0.86)のリスク低減を示した。葉酸補給の脳卒中リスク低減(RR 0.84)、コエンザイムQ10補給の全死亡イベント低減(RR 0.68)も認めた。ビタミンC・ビタミンD・ビタミンE・セレン・β-カロテンの補給に有意効果はみられなかった。
評価
すでにメタアナリシスも増えてきているテーマだが(https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/JAHA.120.017728)、この中国メタアナリシスは最大規模のものである。サプリメントとしてのn-3 脂肪酸・葉酸・コエンザイム Q10の効果を高エビデンス、他ビタミン C・E 等を無効と結論した。

