CLTIへの第一オプションは手術:BEST-CLI
Surgery or Endovascular Therapy for Chronic Limb-Threatening Ischemia
背景
包括的高度慢性下肢虚血(CLTI)への初期治療は、血管内治療か外科的血行再建術か。
アメリカBoston UniversityのFarber ら( BEST-CLI )は、1,830名の患者を対象とする2つのパラレルコホート試験を行った。患者はCLTIと鼠径部末梢動脈疾患を有し、手術使用可能な大伏在静脈が1セグメントあるか(コホート1)、あるいは代替バイパス導管が必要(コホート 2)であった。一次アウトカムは、足関節上切断・重大再介入・全原因死亡の複合である。
結論
コホート1(追跡期間中央値2.7年後)でもコホート2(追跡期間中央値1.6年)でも、手術の一次アウトカムが優れた(HR 各0.68・0.79)。有害事象発生率は2コホートとも同等てあり、コホート1での四肢主要有害事象・死亡の発生率は、外科手術群が血管内治療群よりも低く、コホート2では、両群同等であった。
評価
長い問題に関する待望された試験結果である。学会討論では患者集団の構成(白人男性中心)に関し議論があったという。血管内治療推進派からは、最新の技法を反映していないという反論もありえるが、現在のところ、血管内治療を第一選択とするエビデンスはない、ということになる。