炎症性乳がんは脳転移リスクが高い
Incidence, characteristics, and management of central nervous system metastases in patients with inflammatory breast cancer
背景
炎症性乳がんは稀ながら進行が早く、予後の悪い乳がんであり、脳転移リスクも高い。
アメリカDana-Farber/Brigham and Women's Cancer CenterのWarrenらは、1997〜2019年に炎症性乳がんと診断された患者の医療記録を後向レビューし、炎症性乳がん患者における中枢神経系(CNS)転移の発生率とリスク因子を特定した。
結論
III期の患者が372名、de novoのIV期患者が159名であり、CNS転移は124名に発生した。1年・2年・5年時点のCNS転移発生率は、III期患者で5%、9%、18%、IV期患者では17%、30%、42%であった。III期患者ではトリプルネガティブ腫瘍が、CNS転移のリスク因子であった。
評価
炎症性乳がんの脳転移リスクに定量的データをもたらした。脳MRIによるサーベイランスにより、予後を改善しうるかが重要な問題となり、すでに第2相試験が開始されている(NCT04030507)。


