選択的消化管除菌(SDD)はおそらく有効:系統的レビュー・メタ解析
Association Between Selective Decontamination of the Digestive Tract and In-Hospital Mortality in Intensive Care Unit Patients Receiving Mechanical Ventilation: A Systematic Review and Meta-analysis
背景
人工呼吸器を使用している患者に対する選択的消化管除菌(SDD)の有効性は確定しておらず、最近ではSuDDICU試験が有意差を示すことに失敗している(https://doi.org/10.1001/jama.2022.17927)。
オーストラリアGeorge Institute for Global HealthのHammondらは、ICU人工呼吸成人患者を対象とし、SDDと標準治療/プラセボを比較したランダム化比較試験を特定し、SDDの有効性を評価するシステマティックレビュー・メタアナリシスを実施した。
結論
24,389名が参加する32件の試験が特定された。患者の年齢は中央値54歳、33%が女性であった。標準治療と比較したSDDの死亡リスク比は0.91であり、SDDにより院内死亡率が低下する事後確率は99.3%であった。SDDのベネフィットは静注で行われた場合にのみ認められた(リスク比 0.84)。また、SDDは人工呼吸器関連肺炎(0.44)、ICU感染菌血症(0.68)のリスク低下と関連した。耐性菌の発生率についてのデータは統合できず、確実性は非常に低かった。
評価
ネガティブ結果であったSuDDICU試験とともにJAMA誌に掲載された。SDDはVAPを予防し、死亡リスクもおそらく抑制すると考えられ、合理的なオプションと言える。


