オリゴメタ前立腺がんへの転移巣指向治療は有益:STOMP試験・ORIOLE試験
Long-Term Outcomes and Genetic Predictors of Response to Metastasis-Directed Therapy Versus Observation in Oligometastatic Prostate Cancer: Analysis of STOMP and ORIOLE Trials
背景
少数個の転移を有する(oligometastatic)がんに対する転移巣指向治療(MDT)というコンセプトが新たに登場しており、オリゴメタ去勢感受性前立腺がん(CSPC)を対象としたSTOMP試験およびORIOLE試験の初期結果は有望であった。
アメリカRutgers UniversityのDeekらは、転移が3個以下のオリゴメタCSPC患者を登録し、経過観察またはMDTをランダムに割り付けたSTOMP試験(n=62)・ORIOLE試験(n=54)のデータをプールし、MDTの長期アウトカムを評価した。
結論
フォローアップ期間は52.5ヵ月(中央値)であった。無増悪生存期間はMDT群で延長し(ハザード比 0.44)、高リスク変異(ATM、BRCA1/2、Rb1、TP53)では特にベネフィットが大きかった(ハザード比 0.05)。MDTコホートの無増悪生存期間は、高リスク変異のない患者で13.4ヵ月、高リスク患者では7.5ヵ月であった。
評価
MDTにより、PFSは有意に延長した。一部患者では、4年を超えるPFSがもたらされており、アンドロゲン遮断療法による副作用を回避したい患者にとっては、魅力的なオプションとなりうる。


