人工呼吸重症患者への選択的消化管除菌(SDD)は有効なのか:SuDDICU試験
Effect of Selective Decontamination of the Digestive Tract on Hospital Mortality in Critically Ill Patients Receiving Mechanical Ventilation: A Randomized Clinical Trial
背景
選択的消化管除菌(SDD)は、腸管環境の乱れが引き起こす人工呼吸器関連肺炎や、その他の病院感染を予防するため、好気性グラム陰性桿菌および真菌の選択的抑制を目指す手法であるが、多くの臨床試験にもかかわらず、その有効性は確定していない。
SuDDICU Investigators for the Australian and New Zealand Intensive Care Society Clinical Trials GroupによるSuDDICU試験は、オーストラリア19ヵ所のICUで人工呼吸器を使用されている成人重症患者を対象に、クロスオーバーでSDD戦略または標準治療を行うクラスターランダム化比較試験であった(n=5,982)。
結論
90日院内死亡率はSDD群で27.0%、標準治療群では29.1%であった(オッズ比 0.91, 非有意)。事前指定された8つのニ次アウトカム中の6つに有意差はなかった。耐性菌および任意の血液培養陽性はSDD群で有意に少なかった。
評価
SDD群での死亡率の有意な改善はみられなかったが、併載されたベイジアン・メタ解析は99.3%の事後確率でSDDにベネフィットありと結論している(https://doi.org/10.1001/jama.2022.19709)。


