CAR-T療法後に再発した骨髄腫患者への救済療法は?
Interventions and outcomes of multiple myeloma patients receiving salvage treatment after BCMA-directed CAR T therapy

カテゴリー
がん
ジャーナル名
Blood
年月
November 2022
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開始ページ
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背景

キメラ抗原受容体T細胞(CAR-T)療法は再発/難治性の多発性骨髄腫(MM)に対して高い有効性を示しているが、初期の奏効にもかかわらず一部の患者は再発に至る。
アメリカMount Sinai Beth IsraelのVan Oekelenらは、BCMA標的CAR-T療法による治療後に病勢進行となったMM患者79名の救済療法とアウトカムを分析した。

結論

再発後の救済療法は中央値2ライン(計237ライン)行われた。 CAR-T療法後再発からの全生存期間は中央値17.9ヵ月であった。初回救済療法レジメンに対する全奏効率は43.4%で、無増悪生存期間は中央値3.5ヵ月であった。44.3%は救済療法として、二重特異性体抗体または後続CAR-T療法を受けており、これらの患者ではフォローアップ期間21.3ヵ月(中央値)時点で、全生存期間の中央値未達であった。

評価

CAR-T細胞療法後の再発患者に対しては、確立された治療選択肢が無い状態にあるが、本研究は、この集団の治療における一つのベンチマークとなる。複数の治療法が実施可能であり、特にT細胞誘導型治療の継続は有望とみられる。

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取り上げる主なジャーナル(がん)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Journal of Clinical Oncology (JCO)、Journal of the National Cancer Institute(JNCI)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、Cancer Research (Cancer Res)