ACS後の虚血性イベント再発予測にABC-ACS ischemiaスコアを開発
Biomarker-Based Prediction of Recurrent Ischemic Events in Patients With Acute Coronary Syndromes
背景
急性冠症候群(ACS)患者の虚血性イベント再発リスク予測にGRACEスコア等があるが、限界は多い。
スウェーデンUppsala UniversityのBatraらは、バイオマーカーに基づくPCI後ACS患者の心血管死・MIの1年リスク予測モデルの開発を報告している。PLATO試験の患者10,713名のデータに基づくモデルを、TRACER試験の患者3,508名のデータにより外部検証した。
結論
CV死亡・MIの最も重要な予測バイオマーカーは、GDF-15・NT-proBNPで、最終的には、年齢(A)・バイオマーカー(B)(GDF-15・NT-proBNP)・臨床変数(C)(冠動脈疾患範囲・心血管疾患の既往・Killipクラス・ACSタイプ・P2Y12阻害薬)の8項目からなるモデルを開発した。このABC-ACS ischemiaモデルのC-インデックスは開発コホートで0.71、検証コホートで0.72であった(CV死亡については同0.80・0.84)。
評価
バイオマーカーの重要性を取り込んだ新モデルで、著者らはGRACE2.0より優れているとしている。未だルーチンでないGDF-15の測定が鍵となっており、さらなる検証によってスコアの有用性が確立されれば、その検査自体も標準化される可能性がある。

