CTCは多発性骨髄腫のリスク評価に使える
High Levels of Circulating Tumor Plasma Cells as a Key Hallmark of Aggressive Disease in Transplant-Eligible Patients With Newly Diagnosed Multiple Myeloma
背景
様々ながん種において血中循環腫瘍細胞(CTC)の予後予測価値が明らかにされつつある。
イタリアUniversity of TorinoのBertaminiらは、多施設共同ランダム化比較試験FORTEに登録された新規診断かつ自家幹細胞移植の適応となる多発性骨髄腫患者において、診断時にフローサイトメトリー法で評価された末梢血CTCが予後にもたらす影響を検討した(n=401)。
結論
CTCと骨髄中の形質細胞には弱い相関があった。解析の結果、最良のCTCのカットオフ値は0.07%であった。多変量解析により、CTC高値患者は低値患者と比して無増悪生存期間(ハザード比 2.61)、全生存期間(2.61)とも短いことが示された。4年無増悪生存率はCTC高値患者38%、CTC低値患者69%、4年全生存率はCTC高値患者68%、CTC低値患者92%であった。
評価
骨髄標本での形質細胞の定量化は予後的価値に乏しかった。本研究は、併載されたスペインからの同テーマ論文とともに(https://doi.org/10.1200/JCO.21.01365)、末梢血で検出されたCTCが優れた予後予測能を持つことを示した。リスクに応じた治療精緻化ツールとなりえる。