子宮体がん術後の経過観察は最低限でよい:TOTEM試験
Effectiveness of Intensive Versus Minimalist Follow-Up Regimen on Survival in Patients With Endometrial Cancer (TOTEM Study): A Randomized, Pragmatic, Parallel Group, Multicenter Trial
背景
子宮体がん術後には定期的な経過観察が推奨されているが、どの程度の検査強度で行うべきか。
イタリアUniversita degli studi di TorinoのZolaらは、イタリア・フランスの42施設で外科的治療を受け、臨床的完全寛解を得た子宮体がん患者(I-IV期)を、再発リスクの高低に応じて集中的なフォローアップ、または最小限のフォローアップへと割り付け、生存率への影響を検証するランダム化比較試験TOTEMを実施した(n=1,871)。
結論
60%は低リスク患者であった。フォローアップ期間69ヵ月(中央値)での5年全生存率は、集中的フォローアップ群で90.6%、最小限フォローアップ群で91.9%であった(ハザード比 1.13)。サブグループ解析でもOSの差は認められなかった。再発検出率は集中的フォローアップ群でわずかに高かった(1.17)。
評価
高頻度の臨床検査やCT検査、エコー、細胞診などによる経過観察の強化は、再発の発見をわずかに増加させただけで、生存率には影響を与えなかった。このエビデンスにより、経過観察の標準化と患者負担の軽減がもたらされるだろう。


