ICU人工呼吸患者での早期運動療法は効果示せず:TEAM試験
Early Active Mobilization during Mechanical Ventilation in the ICU
背景
ICU入室によって引き起こされる筋力低下(ICU-AW)に対する関心が高まっており、理学療法・作業療法による早期からのリハビリテーションが提案されている。
The TEAM Study Investigators and the ANZICS Clinical Trials GroupによるTEAM試験は、ICUで侵襲的人工換気を受ける成人患者を、強化された早期リハビリ(鎮静の最小化と毎日の理学療法)、または通常ケア(各施設の通常のリハビリ)へと割り付け、180日目までの院外生存日数を比較するランダム化比較試験であった(n=750)。
結論
180日目までの退院後生存日数(中央値)は、早期リハ群で143日、通常ケア群で145日であった。1日の平均リハビリ時間は、早期リハ群で20.8分、通常ケア群では8.8分であった。180日死亡率はそれぞれ22.5%、19.5%であった(オッズ比 1.15)。リハビリに起因すると考えられる有害事象は、早期リハ群の9.2%、通常ケア群の4.1%で発生した。
評価
理論的な利点にもかかわらず、早期リハビリのベネフィットは曖昧である。最近の複数のランダム化比較試験に続き、このTEAM試験でも早期リハ群でのアウトカム改善は認められなかった。ただし、本試験では通常ケア群でもある程度の早期リハビリを受けており、早期リハビリ自体が無益とするのは早計であろう。