マウスの腫瘍を体表からリアルタイム監視できるウェアラブルデバイスを開発
A flexible electronic strain sensor for the real-time monitoring of tumor regression
背景
がん治療の有効性を判断する上で、腫瘍の進行・退縮の評価は欠かせないが、生体内の腫瘍を正確に評価することは難しい。
アメリカStanford UniversityのAbramsonらは、皮膚上・皮膚直下のin vivo腫瘍を分単位で連続モニタリングし、データをリアルタイムで送信するウェアラブルな歪みセンサーを開発した。
結論
金使用回路を埋め込まれた伸縮性のあるFAST(Flexible Autonomous Sensor measuring Tumors)センサーは、エルロチニブ経口投与を受けたヒト肺がんHCC827マウスモデル、抗OX40抗体の腫瘍内注入を受けたA20 B細胞リンパ腫マウスモデルにおいて、5時間以内に治療腫瘍と非治療腫瘍の体積差を検出した。センサーが捉えた腫瘍体積結果は組織学的にも確認され、長期的な治療奏効と相関した。
評価
異種移植片マウスモデルを用いた薬効評価は、個体差やサンプルサイズの小ささ、測定ツールの精度などが相まって、信頼度の高い評価が難しかった。各個体の腫瘍のサイズをリアルタイムに測定可能なこのセンサーは、前臨床研究を大幅に効率化し、創薬プロセスを加速することが期待される。


