進展型小細胞肺がん初回治療に新規PD-1阻害薬Serplulimab:ASTRUM-005試験
Effect of First-Line Serplulimab vs Placebo Added to Chemotherapy on Survival in Patients With Extensive-Stage Small Cell Lung Cancer: The ASTRUM-005 Randomized Clinical Trial
背景
進展型小細胞肺がん(SCLC)の初回治療において、化学療法にPD-1阻害薬を併用するアプローチが登場し、良好な成績を示している。
中国Jilin Cancer HospitalのChengらは、世界6ヵ国114施設の全身治療歴のない進展型SCLCの初回治療として、カルボプラチン・エトポシド(CE療法)に加えて、PD-1阻害薬serplulimabまたはプラセボを2:1で割り付ける第3相ランダム化臨床試験ASTRUM-005を実施した(n=585)。
結論
全生存期間はserplulimab群で15.4ヵ月、プラセボ群で10.9ヵ月であった(ハザード比 0.63)。無増悪生存期間についてもserplulimab群5.7ヵ月、プラセボ群4.3ヵ月と、serplulimab群で優った(0.48)。グレード3以上の治療関連有害事象は、serplulimab群の33.2%、プラセボ群の27.6%で発生した。
評価
進展型SCLCの初回治療では、アテゾリズマブやデュルバルマブがすでに有効性を示しているが、serplulimabもPFS・OSの両方について改善を示した。FDAの希少疾病用医薬品指定も受けており、この患者集団に新たなファーストラインオプションをもたらす。