新規T2D薬を直接比較しGRADEをつける
Glycemia Reduction in Type 2 Diabetes−Glycemic Outcomes
背景
新規2型糖尿病(T2D)治療薬の検証は、主に心血管疾患の文脈で行われてきた。
アメリカGeorge Washington UniversityのLachinら(GRADE)は、同患者5,047名を対象として、これらの薬剤のメトホルミンへの追加血糖降下薬としての有効性を比較するRCTを行った。対象薬はインスリングラルギンU100・グリメピリド・リラグルチド・シタグリプチン リン酸塩水和物、患者はT2D歴が10年以下(メトホルミン使用中)、HbA1c値6.8〜8.5%、一次代謝アウトカムは年4回測定HbA1c値7.0%以上である。
結論
平均5.0年間フォローアップ て、一次代謝アウトカム累積発生率は使用薬群間で有意に異なった:グラルギン(26.5/100人年)・リラグルチド (26.1)がグリメピリド(30.4)・シタグリプチンリン(38.1)より有効だった(2次アウトカムも同様)。重度低血糖発生は、グリメピリド(2.2%)が他と比べ多く(グラルギン1.3%・ リラグルチド 1.0%・シタグリプチンリン 0.7%)、リラグルチ使用患者では消化器系副作用が多く、減量報告も最も多かった。
評価
必要だが少ない新規T2D薬の多数直接比較RCTで、NEJMはGRADEによるCVDリスクへの効果検証も併載してる(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36129997/)。なお、SGLT2 阻害薬は試験開始時にFDA未承認であったため、含まれていない。同薬を含めた直接比較による整理が望まれる。