虚血性左室機能不全ハードエンドポイントでPCIはGDMTに優れず
Percutaneous Revascularization for Ischemic Left Ventricular Dysfunction

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
August 2022
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開始ページ
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背景

重度虚血性左室機能不全患者に対するPCIがGDMT(ガイドドライン準拠至適薬物療法)に優るかどうかは基本的な問題である。
イギリスSt. Thomas’ HospitalのPereraら(REVIVED-BCIS2)は、LVEF35%以下患者を対象として、これを検証するRCTを行った(n=700)。一次アウトカムは、全原因死亡または心不全による入院である。

結論

中央値41ヵ月のフォローアップで、PCIとGDMTとの間に一次アウトカム差を認めなかった。6ヵ月・12ヵ月後のQOLスコアはPCIが優れたが、24ヵ月ではその差は低減した。

評価

CABGに関しSTICHが出したもの(https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1100356)と類似する結論である。 STICHはコスト効果等で長期ではCABGが優るともしているが(https://www.ahajournals.org/doi/full/10.1161/CIRCULATIONAHA.121.056276)、結論的ではない。NEJMEditorialは部分集団分析と長期フォローの重要性を提起しつつも、現代のGDMTの有力性を強調している。 

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)