COVID-19に対するHFNC酸素は死亡率改善せず:SOHO-COVID試験
Effect of High-Flow Nasal Cannula Oxygen vs Standard Oxygen Therapy on Mortality in Patients With Respiratory Failure Due to COVID-19: The SOHO-COVID Randomized Clinical Trial

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
The Journal of the American Medical Association
年月
September 2022
328
開始ページ
1212

背景

COVID-19呼吸不全患者に対する高流量鼻カニューラ(HFNC)酸素の使用は、挿管のリスクを軽減することが報告されている。
フランスCHU de PoitiersのFratらは、同国34のICUに入室したCOVID-19呼吸不全患者を、HFNCまたは初期設定10 L/分の非再呼吸式マスクによる標準酸素投与へと割り付けるランダム化比較試験SOHO-COVIDを実施した(n=711)。

結論

28日死亡率は、HFNC群で10%、標準酸素群11%であった。事前指定された13の二次アウトカム中12までに有意差はなく、挿管率はHFNC群で低かった(45% vs. 53%)。

評価

昨年JAMA誌に報告されたコロンビアHiFLo-Covid試験では、挿管率の低下と回復までの期間短縮を示していたが(https://doi.org/10.1001/jama.2021.20714)、本試験では一次アウトカムである死亡率への効果は示されなかった。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)