乳房温存療法では1 mm以上のマージンを:系統的レビュー・メタ解析
Margin status and survival outcomes after breast cancer conservation surgery: prospectively registered systematic review and meta-analysis
背景
乳房温存術において切除断端が陽性か否かは再発率に影響を与えるが、どの程度の切除マージンを確保すべきかについては議論がある。
イギリスUniversity of LeedsのBundredらは、乳房温存術を受けたI-III期乳がん患者において、切除マージンの状態とアウトカムを報告した研究を特定し、断端陽性(tumor on ink)、マージン2 mm未満の断端近接、2 mm以上の断端陰性と、局所再発・遠隔再発との関連を検討する系統的レビュー・メタ解析を実施した。
結論
68研究、112,140名の乳がん患者が含まれた。断端陽性は9.4%、マージン2 mm未満の断端近接は17.8%であった。遠隔再発率は断端陽性の患者で25.4%、断端近接の患者で8.4%、断端陰性の患者で7.4%であった。断端陰性と比較して、断端陽性は遠隔再発(ハザード比 2.10)、局所再発(1.98)の増加と関連した。また、断端近接も遠隔再発遠隔再発(1.38)、局所再発(2.09)と関連した。
評価
このテーマに関する最大のメタアナリシスで、不十分なマージンが再発リスクと関連することを示し、ガイドライン改訂の根拠を提供した。