高リスク腎細胞がんでの術後補助アテゾリズマブ、DFS改善せず:IMmotion010試験
Adjuvant atezolizumab versus placebo for patients with renal cell carcinoma at increased risk of recurrence following resection (IMmotion010): a multicentre, randomised, double-blind, phase 3 trial
背景
転移のない腎臓がんでは腎摘除術が行われるが再発率は高く、近年は免疫チェックポイント阻害薬による術後補助療法が注目されている。
アメリカCity of Hope Comprehensive Cancer CenterのPalらは、世界28ヵ国215施設の、腎摘除術(±転移巣切除)後の再発リスクが高い腎細胞がん患者を、アテゾリズマブまたはプラセボ(3週ごと16サイクルもしくは1年)投与へと割り付ける多国籍ランダム化比較試験IMmotion010を実施した(n=778)。
結論
無病生存期間の中央値は、アテゾリズマブ群で57.2ヵ月、プラセボ群では49.5ヵ月であり、有意差はなかった(ハザード比 0.93)。
評価
このテーマでは、2021年に有効結果を示したKEYNOTE-564試験のペムブロリズマブとは対照的に、アテゾリズマブではDFSの延長は認められなかった。ESMOでは、CheckMate-914試験のパートAにおけるニボルマブ+イピリムマブ、PROSPER試験における周術期ニボルマブも否定的結果を発表しており、腎細胞がんに対する補助免疫療法の価値は再考が必要かもしれない。