小児T1Dへの早期HCL導入のCPR値維持効果にCLOuD
Closed-Loop Therapy and Preservation of C-Peptide Secretion in Type 1 Diabetes
背景
HCL(Hybrid Closed Loop:ハイブリッド閉ループ)療法は、現在最良の1型糖尿病(T1D)治療オプションである。
イギリスAddenbrooke’s HospitalのHovorkaら(CLOuD)は、発症診断から21日以内の10〜16.9歳の同患者97名を対象として、そのC-ペプチド(CPR)分泌能保存効果を検証するRCTを行った。患者を24ヵ月間、HCL群と標準インスリン治療コントロール群に割り付けた。一次エンドポイントは、診断12ヵ月後における血中CPRの曲線下面積(AUC)である。
結論
HCLの一次エンドポイント効果を認めなかった。24ヵ月でも同様だった。24ヵ月でのHbA1c値はHCL群の方が低かった。重度低血糖がHCL群で5例、コントロール群で1例発生し、糖尿病性ケトアシドーシスがHCL群で1例発生した。
評価
HCLへの評価は高く、内因性インスリン分泌能の維持効果も「あるのでは」と期待されたが、2年追跡で失望結果に終わった。著者らは、自己免疫応答等血糖コントロール以外の要因が影響しているのかもしれない、と述べている。