外傷性創傷の縫合時に滅菌手袋を使う必要はない:RCT
Non-sterile gloves and dressing versus sterile gloves, dressings and drapes for suturing of traumatic wounds in the emergency department: a non-inferiority multicentre randomised controlled trial
背景
外傷性創傷の患者では創感染のリスクがあるが、外科的創傷とは異なり、非滅菌環境での受傷により、すでに汚染リスクに晒されている外傷性創傷の治療において、滅菌手袋を用いる意義はあるのか。
オランダUniversity Medical Center RotterdamのZwaansらは、同国3施設の救急外来で、外傷により縫合を必要とする成人患者を、滅菌の手袋・ドレッシング、または非滅菌の手袋・ドレッシング・ドレープの使用へと割り付けるランダム化比較試験を実施した(n=1,480)。
結論
創感染率は、非滅菌群で5.7%、滅菌群で6.8%であった。
評価
滅菌手袋・ドレッシングの使用は創感染のリスクを減じなかった。過去のRCTと同様の結果であり(https://doi.org/10.1016/j.annemergmed.2003.09.008)、外傷性創傷の治療に際して滅菌手袋を使う必要はないと考えられる。