「スタチン副作用」筋症状の有意性を否定：CTTCメタアナリシス
Effect of statin therapy on muscle symptoms: an individual participant data meta-analysis of large-scale, randomised, double-blind trials
背景
スタチン服用者に一定程度みられるとされる筋痛・筋力低下「副作用」はスタチンによるものでない、という分析が現れた。
Cholesterol Treatment Trialists' Collaborationによるもので、スタチン治療に関する大規模RCT19件（プラセボ比較：n=123,940) ・4件（用量比較：n=30,724) の、参加者個人データレベルメタアナリシスである。
結論
スタチンとプラセボとの間の筋痛・脱力感発生ののRR は1.03で、スタチン治療1年後での1,000人年あたり超過イベントは11であった。これはスタチン治療者の筋肉関連報告の15 分の 1 のみが実際にスタチンによるものであることを示している。1 年目以降には、同報告の有意な超過はなかった。ただし、高用量 レジメン（1 日 1 回40〜80mg のアトルバスタチンまたは20〜40mg のロスバスタチン）では、低強度レジメンよりわずかに筋関連報告が多かった（RR：1.03〜1.08)。スタチン治療によるCK値上昇は臨床的に有意でなかった。
評価
Oxfordグループが主導したコモンウェルス研究で、「注意が必要」という常識への批判エビデンスを提示した。著者らは、「スタチン服用者の筋症状のマネージメントには基本的見直しが必要である」と主張している。
