緑膿菌VAPでの抗菌薬治療は短縮できない
Comparison of 8 versus 15 days of antibiotic therapy for Pseudomonas aeruginosa ventilator-associated pneumonia in adults: a randomized, controlled, open-label trial
背景
緑膿菌などのブドウ糖非発酵グラム陰性桿菌(NF-GNR)は人工呼吸器関連肺炎(VAP)で最もよくみられる検出菌であり、通常より長い抗菌薬治療期間が設定されることが多い。
フランスSorbonne UniversityのBougleらは、緑膿菌による人工呼吸器関連肺炎と診断された成人患者を、短期(8日間)または長期(15日間)の抗菌薬治療に割り付ける多施設ランダム化比較試験を実施した。
結論
登録の不調により、試験は24ヵ月で中止された。ITT集団(n=186)における複合エンドポイント(ICU入室中の90日以内の死亡またはVAP再燃)は、長期群で25.5%、短期群では35.2%であった。VAP再燃は、それぞれ9.2%、17%で発生した。人工呼吸器日数、ICU滞在日数、非呼吸器感染、多剤耐性の獲得については、両群同等であった。
評価
緑膿菌性VAPに対する抗菌治療期間の短縮は、非劣性の基準を満たさなかった。NF-GNRに対しては、これまで通り、2週間程度の治療期間を設定すべきであろう。