梗塞後僧帽弁リモデリング・逆流にシプロヘプタジンが有効か:概念実証研究
Effects of Cyproheptadine on Mitral Valve Remodeling and Regurgitation After Myocardial Infarction
背景
虚血性僧帽弁逆流(MR)には、セロトニン径路が関わっていることが知られている。
カナダUniversite LavalのBeaudoinらは、同疾患へのシプロヘプタジン(5-HT2BR拮抗薬)の効果を検討する動物(ヒツジ)レベルRCTを行った。ヒツジ36頭をシプロヘプタジン投与群と非投与群に割り付け、実験的下壁MIを誘導して90日間追跡し、血中5-HT・梗塞サイズ・左室容積/機能・MR度・リーフレットサイズを評価した。細胞レベル実験も行った。
結論
心筋梗塞後、シプロヘプタジン非投与群では5-HT濃度の上昇がみられたが、同投与群ではみられなかった。梗塞サイズは両群で同等であった。90日後のMR度は、対照群16%に対し、介入群2%と高度の有意差があった。また、リーフレットサイズの増加は介入群で大きかった(40% vs. 22%±12%)。細胞レベルで、シプロヘプタジン処理細胞でMI後血清曝露に対する細胞外マトリックス遺伝子過剰発現の抑制が認められた。
評価
リーフレットリモデリングの分子機構を標的化したユニークな方法によるMI後MRの薬理的予防・治療の概念を実証した。臨床試験が正当化される。


