緊急胸腔脱気を必要とする患者での病院前脱気は死亡減と関連

Association of Prehospital Needle Decompression With Mortality Among Injured Patients Requiring Emergency Chest Decompression

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背景

緊急胸腔脱気を必要とする患者で、病院到着前の早期脱気は救命に資するか。
アメリカUniversity of PittsburghのMuchnokらは、Pennsylvania Trauma Outcomes Studyデータに基づき、2000〜2020年に外傷現場から搬送された15歳以上の患者を対象とした後向コホート研究を行い、緊急胸腔脱気を必要とする患者での病院前脱気と早期死亡との関連を検討した（n=8,469）。

結論

1,337名（11%）で病院前脱気が実施され、7,132名（84.2%）が胸腔ドレーン留置を受けた。病院前脱気は24時間死亡を25%減少させた（オッズ比 0.75）。同様の結果は、救急生存患者（0.68）、重症外傷性脳損傷を除いた患者（0.65）、重症胸部外傷患者（0.72）で認められた。

評価

日本では医師以外に認められていない医療行為であるが、アメリカでは救急隊員によって実施可能である。実施率は低く、ICDデータによる後向研究という限界もあるが、病院前の脱気は有効な救命処置である可能性がある。