重度急性疼痛のモルヒネ鎮痛へのアセトアミノフェン併用は無益
Intravenous acetaminophen does not reduce morphine use for pain relief in emergency department patients: A multicenter, randomized, double-blind, placebo-controlled trial
背景
アセトアミノフェンは特に軽度の疼痛に対して効果的で、術後鎮痛への併用ではオピオイドの使用量を減少させうることが知られている。
スイスCantonal Hospital of St. GallenのMinottiらは、急性疼痛(中等度以上すなわちNRSが4以上)を有する救急患者を、モルヒネ0.1 mg/kgに加えてアセトアミノフェン1 gまたはプラセボの静脈投与を割り付け、痛みが軽減するまでに必要とされた平均モルヒネ量・その他のアウトカムを比較した(n=220)。
結論
疼痛緩和までに要したモルヒネの平均投与量は、アセトアミノフェン群0.15 mg、プラセボ群0.16 mgと差はなかった。疼痛緩和までの時間(各群30分)、有害事象発生率(全体で27.4%)にも群間差はなかった。
評価
モルヒネ・タイタレーションへのIVアセトアミノフェン追加は、疼痛コントロールを改善せず、モルヒネ使用量も減らさなかった。中等度以上の急性疼痛ではルーチンにアセトアミノフェンを使用する必要はない。