脳主幹動脈梗塞での血栓除去術前の抗血小板薬投与は無益：RESCUE BT試験

Effect of Intravenous Tirofiban vs Placebo Before Endovascular Thrombectomy on Functional Outcomes in Large Vessel Occlusion Stroke: The RESCUE BT Randomized Clinical Trial

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背景

機械的血栓除去術は急性脳主幹動脈閉塞（LVO）患者の機能的アウトカムを改善することが示されている一方、十分な再灌流が得られない患者も多いが、抗血栓療法の併用はアウトカムを改善するのか。
RESCUE BT Trial Investigatorsによるランダム化比較試験RESCUE BTは、中国55施設で発症後24時間以内の近位LVO患者を登録し、血管内血栓除去術前にtirofibanまたはプラセボの静脈投与を行い、90日時点での機能レベルを比較した（n=948）。

結論

90日後のmodified Rankin Scale（症状無し=0から死亡=6まで）の中央値は、tirofiban群・プラセボ群とも3であった（共通オッズ比1.08）。症候性脳内出血の発生率はtirofiban群9.7%、プラセボ群6.4%であった。

評価

Tirofibanはアウトカムを改善せず、脳内出血リスクは増加した。MR CLEAN-MED試験の結果も合わせ（https://doi.org/10.1016/S0140-6736(22)00014-9）、現時点では、LVO血栓回収前の補助的な抗血栓療法は支持されない。