新規診断T-ALL・T-LL患者にボルテゾミブ併用が有効、頭蓋照射が回避可能に:AALL1231試験
Children's Oncology Group Trial AALL1231: A Phase III Clinical Trial Testing Bortezomib in Newly Diagnosed T-Cell Acute Lymphoblastic Leukemia and Lymphoma
背景
プロテアソーム阻害薬ボルテゾミブは再発したT細胞型急性リンパ性白血病(T-ALL)・リンパ芽球性リンパ腫(T-LL)への有効性が示されている。
Children's Hospital of PhiladelphiaのTeacheyらは、新たに診断された小児または若年成人のT-ALL・T-LL患者を対象として、先行したAALL0434試験で用いられた増強型BFM化学療法に、さらに改良を加えた修正レジメンへのボルテゾミブ追加の効果を測る、第3相ランダム化比較試験AALL1231を実施した(n=824)。
結論
4年無イベント生存率(EFS)は、無ボルテゾミブ群で80.1%、ボルテゾミブ群で83.8%であり、4年生存率(OS)はそれぞれ85.7%、88.3%であった(いずれも非有意)。T-LL患者ではEFS(76.5% vs. 86.4%)、OS(78.3% vs. 89.5%)とも有意に改善された。ボルテゾミブによる追加の毒性はなかった。また、AALL0434試験において、頭蓋照射を受けた患者(90.8%, AALL1231試験では9.5%)と、本試験で頭蓋照射を受けなかった患者を比較して、EFSおよびOSに有意な差は認められなかった。
評価
T-LL患者以外では有意でなかったものの、ボルテゾミブの追加により、EFS・OSとも改善の傾向が認められた。T-ALL患者の多くで頭蓋照射が不要となったことも重要であり、新たな標準治療として考慮されよう。

