弾性スリーブでリンパ浮腫を予防する
Prophylactic Use of Compression Sleeves Reduces the Incidence of Arm Swelling in Women at High Risk of Breast Cancer-Related Lymphedema: A Randomized Controlled Trial

カテゴリー
がん
ジャーナル名
Journal of Clinical Oncology
年月
June 2022
40
開始ページ
2004

背景

乳がん手術で腋窩リンパ節の郭清を受けた患者ではリンパ浮腫が発症する可能性がある。リンパ浮腫は発症後は完治が難しく、発症予防が重要となる。
オーストラリアUniversity of SydneyのParamanandamらは、インドの乳がん術後女性(n=307)を対象に、術後補助治療の終了後3ヵ月までの弾性スリーブ着用、または通常の術後ケアを割り付け、上肢腫脹の発生率を比較するランダム化比較試験を実施した。

結論

対照群と比較したスリーブ群の腫脹発生ハザード比は、生体インピーダンス法(BIS)に基づく評価で0.61、相対的体積変化率(RAVI)による評価で0.56であった。上肢腫脹の1年累積発症率は、BIS評価でスリーブ群42%、対照群52%、RAVI評価でスリーブ群14%、対照群25%であった。

評価

弾性スリーブの使用は上肢腫脹の発生を減らし、発生を遅らせる効果があった。弾性着衣の予防的使用を正当化するエビデンスとなる。

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取り上げる主なジャーナル(がん)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Journal of Clinical Oncology (JCO)、Journal of the National Cancer Institute(JNCI)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、Cancer Research (Cancer Res)